荷造りする男と女

 昔は、四十九日法要が済んだ頃に身内が集まり、故人の形見分けを兼ねた遺品整理を行うのが当たり前のようになっていました。亡くなった人のことをよく知っている身内が集まって遺品整理するということになれば、懐かしい故人の思い出話に花が咲きます。故人の思い出を語り合うことは何よりの供養になりますので、遺品整理のことを葬儀の重要な一部だと考える人が少なくありませんでした。しかし、現在のように家族の構成員数が少なくなり、親戚付き合いも希薄になってしまっている状況で、昔ながらの形式で遺品整理を行うというのは無理があります。遺品整理の手伝いをしに来てくれそうな身内など誰もいないという人が少なくありませんし、自分自身も忙しくて時間を割くことができないという人がたくさんいます。そのような事情を背景にして誕生したのが、遺品整理の専門サービスです。

 今後、遺品整理業者の専門サービスに対する需要は、確実に高まっていくだろうと予想されています。もう何年も前から言われていることですが、現在の日本はものすごいスピードで少子高齢化が進んでいます。高齢になればなるほど死亡リスクが高くなるわけですが、亡くなった人に子や孫がいるとは限りません。また、もしも子や孫がいたとしても、簡単には来ることができないような遠い所に住んでいる可能性があります。現在でも、なかなか自分で遺品を整理することができずに業者を利用している人がたくさんいますが、今後、この傾向はますます顕著になっていくものと予想されています。需要の拡大が見込まれる分野であるため、新規業者の参入が目立っていますが、競争の激化にともなってサービスの拡充が図られると期待されています。